海外にいたら、日本の税金はどうなるの?
・ 海外に転勤になった
・ 転勤ではないが、1年近い長期出張が入った
などの理由で、生活の拠点を海外に移すことがあるかもしれません。そうした場合、日本の税金はどうなるのでしょうか?
ここでは、
・ 所得税
・ 固定資産税
・ 住民税
の3つの税金について、考えてみましょう。
所得税は1年がボーダーライン
所得税を払うかどうかの判定にあたって重要になるのが、「居住者」「非居住者」という考えです。日本国籍を持っている人でも、「どこに住所があるか」で、
居住者:日本国内に住所を有している(住んでいる)、もしくは海外への滞在期間が1年未満である。
非居住者:日本国内に住所を有していない(海外への滞在期間が1年以上である)。
のいずれかに分けられます。
そして、会社からの給料などの収入を、どこで受け取ったかも、判定を左右します。「どこで受け取ったか」で、
国内源泉所得:日本国内において受け取った不動産収入、給料、利子など
国外源泉所得:海外において受け取った不動産収入、給料、利子など
に分けられるのです。
ここまでの話を踏まえ、結論を出しましょう。
・ 居住者であれば、国内・国外源泉所得ともに課税の対象となる。
・ 非居住者であれば、国内源泉所得のみ課税の対象となる。
です。なお、非居住者であっても、国内源泉所得が年間20万円以上ある場合は、確定申告・納税が必須です。
固定資産税・住民税は?
次に、固定資産税と住民税についても考えてみましょう。まず、固定資産税は、「その建物、土地を所有している人」に対するものなので、どこにいても払う必要があります。
一方、住民税は、「前年の所得に基づいて、1月1日に日本に住所を有していた人」に課税されるものです。その年の6月から、翌年の5月まで、毎月支払います。例えば、2019年1月1日に出国したら、2020年5月までは住民税を払い続けないといけないのです。
出国のタイミングは自分だけでは決められない部分もありますが、住民税の負担も考えて、スケジュールを組みましょう。
なお、海外にいても確定申告・納税をしなくてはいけない場合は多々あります。
自分の代わりに納税をしてくれる人=納税管理人を立てると、楽に進められるので、親族に頼むか、もしくは税理士に相談しましょう。