「実は今年、マイホームを買った」という人は、あなたの周りにいませんか?もしくはあなた自身がそうかもしれなかったら、住宅ローン控除が受けられるかどうか、確認しましょう。
状況次第では、支払うべき税金をかなり安くできるかもしれません。そこで今回は、住宅ローン控除(減税)について説明します。
1.住宅ローン控除(減税)とは?
最初に、住宅ローンがそもそも何かについて説明しましょう。
1-1.住宅ローン控除の概要
住宅ローン控除(減税)を簡単に言うと、「マイホームを買うために住宅ローンを組んだ場合、一定の割合に相当する金額が所得税から控除される(=差し引かれる)制度」のことです。マイホームを買おうとする人の経済的な負担を和らげる効果があります。
2.住宅ローン控除を受けられるのはどんな時?
それでは、どんな時に住宅ローン減税を受けられるのでしょうか?
- 建物に関する条件
- ローンの種類に関する条件
から考えてみましょう。
2-1.建物に関する条件
まず、大前提として理解してほしいのが、「住宅ローン控除は、実際に住む家を手に入れるのが前提の制度である」という点です。詳しくは後述しますが、「完成したら6か月以内に住み始めなければいけない」など、適用を受けられる条件が細かく決まっています。
これから家を建てる、という人は、引っ越しのスケジュールもそれに合わせて決めなければいけないので、しっかりチェックしましょう。
2-2.新築の場合
以下の条件を満たす必要があります。
- 新築もしくは取得日から6か月以内に入居している
- 借り入れした人の合計所得金額が3000万円以下である
- ローンの返済期間が10年以上
- 登記簿に記載されている床面積が50平米以上である
- 床面積の1/2以上が自分の居住用である
最後の床面積については、「経営者、フリーランスなので、仕事場兼自宅を建てる」という場合に、特に注意しましょう。
2-3.中古の場合
新築の場合の条件に加え、以下の条件を満たす必要があります。
- マンションなどの耐火建築物は、取得の時点で築25年以内である
- 耐火建築物以外は取得の時点で築20年以内であるもしくは一定の耐震基準をクリアしている
- 生計を一にする親族などからの購入ではない
- 贈与された住宅ではない
2-4.増築・リフォームの場合
新しく家を買うのではなく、増築・リフォームをするためにローンを組む場合も、住宅ローン控除は使えます。ただし、新築住宅の時の条件に加えて、以下の条件を満たすことが必要です。
- 自分で所有かつ居住する住宅について行う
- 一定の条件を満たす省エネ・バリアフリー・耐震リフォームもしくは大規模な間取り変更・修繕である
- 工事費用が100万円超
- 店舗併用住宅等の場合、居住用部分のリフォーム費用が1/2以上
3.住宅ローン減税を受けるための手続きは?
条件を満たす場合であっても、実際に住宅ローン控除を受けるためには、確定申告を行わなくてはいけません。入居した年の翌年1月1日から手続きができるので、早めに済ませましょう。その際に必要になる書類は、以下の通りです。
3-1.必要書類リスト
以下のものを過不足なくそろえましょう。・ 確定申告書A(第一表と第二表)や(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書については、最寄りの税務署の窓口に行けばもらえます。もちろん、国税庁のホームページからダウンロードも可能です。
- 確定申告書A(第一表と第二表)
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 勤務先の源泉徴収票
- 金融機関等からの住宅ローンの借入金残高証明書
- 土地・建物の登記簿謄本
- 売買契約書または建築請負契約書のコピー
- マイナンバーの本人確認書類
- その他、認定長期優良住宅の特例などを利用する場合の書類のコピー
なお、確定申告自体は郵送でも受け付けてくれるので、時間がない人は活用しましょう。