本来は東京オリンピックのあとの景気刺激策だった
2020年9月から、マイナポイント事業が開始されます。これは本来は、2020年6月に終了するキャッシュレス・消費者還元事業や2020年7月に開催されるはずだった東京オリンピックの終了後の景気刺激策として考えられていたものです。しかし、2020年2月ころから全世界で流行し始めた新型コロナ感染症の影響により、東京オリンピックは延期されました。
「東京オリンピック終了後の景気刺激策」という本来の目的からは外れてしまいましたが、別の意味でマイナポイントには注目すべき点があります。1)マイナンバーカードの所持率の向上、2)キャッシュレス決済への関心、の2点です。
まず、1)についてですが、2020年4月時点でのマイナンバーカードの所持率は16%にとどまっています。制度開始(2016年)から約4年たつにも関わらず、このような低い水準にとどまっている理由の1つには「マイナンバーカードを持つ具体的なメリットがわかりにくい」ことがあるでしょう。そのため、具体的なメリットを打ち出す施策の1つとして、マイナポイント事業がとらえられるはずです。
また、2)についてですが、キャッシュレス決済は現金を触らずに、店員とのやり取りも最低限にして決済ができる方法です。そのため、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い厚生労働省が発表した「新しい生活様式」においても、キャッシュレス決済の利用は推奨されています。
マイナポイントに参加するには?
実際にマイナポイントに参加するためには、どうすればいいかを解説しましょう。まずは、マイナンバーカードとスマートフォンを用意します。スマートフォンに専用のアプリをインストールし、マイナンバーカードを読み取らせたあと、パスワードを入力すれば完了です。この手続きを「マイナポイントの予約」といいます。なお、各市区町村の対応窓口やケータイキャリアショップ、コンビニのマルチメディア端末でも手続きができるので、自分でできそうにない人は活用しましょう。
次に、2020年7月に入ると、マイナポイントの予約が開始されます。アプリからマイナポイントの公式サイトにアクセスし、自分が利用したいキャッシュレス決済サービスを1つ選びましょう。そして、2020年9月に入ると、マイナポイントを決済サービスで利用できるようになります。選んだ決済サービスにチャージしたり、支払いを行ったりすると、利用額の25%のポイント、残高が付与される仕組みです。なお、マイナポイント事業は2021年3月31日まで実施されますが、この間に付与されるポイント、残高の上限は5,000円までとなっています。