2021年3月31日まではOKだったものの
消費税増税が行われる度に、レジの設定変更、値札の貼り換え作業や各表示の変更など、様々な対応に苦慮してきた事業主の方は多いはずです。「消費税が増税になった時の作業を少しでも減らしたい!」と、今まで自分の事業所で扱う商品・サービスの値段を「10,000円(税抜)」と表示してきた人も少なくないでしょう。これだと、消費税率が変わっても、少なくともこの表示は変更する必要がないためです。
そして、2021年3月31日までは、このような税抜表示も、誤認防止措置を講じた上で利用することができましたが、2021年4月1日からは認められなくなっています。
なお、2021年4月1日を過ぎた時点で税抜表示をしていたからといって、罰則が科せられるわけではありません。
ただし、消費者が勘違いを起こすような価格表示を意図的にしていたと判断された場合は「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」に違反する恐れもでてくるので、早急に対応するに越したことはないでしょう。
乗り遅れた人向けの対応リスト
「まずいな、うち何も対応していないや」という事業者の人には、この機会に何をするべきかを洗い出してほしいところです。
行うべき対応を3つに分けると1)対象となる商品・サービス、2)消費者の利便性を保つためのポイント、3)具体的な表記の仕方、の3つを理解することが挙げられます。
まず、1)についてですが、一言でまとめると「不特定多数の消費者に向けた価格表示」ということになります。
例えば、
- 商品に貼付する値札
- 商品パッケージなどへの印字
- 商品陳列棚
- 店頭のチラシ
- ポスター
- 商品カタログ
- ダイレクトメールなどにより配布するチラシ
- インターネットの販売ページ
- 電子メールなどの媒体を利用した広告
- テレビ・新聞の広告
が該当します。なお、見積書・請求書・契約書・事業間取引における商品カタログなどは、不特定多数の消費者に向けたものではないため、対象とはなりません。
2)についてですが「消費者がはっきりと認識できるようにする」ことが大事です。たとえば
- 店内のわかりやすいところにアナウンスを掲示する
- 値札の文字をある程度は大きくする
- POPを活用する
などが考えられます。
また、3)についてですが「支払総額となる税込価格がわかること」が最低条件です。
そのため、税抜で10,000円の商品・サービスであれば「11,000円」で構いません。
より親切に、ということであれば「10,000円(税込11,000円) 」「11,000円(税込)」などを使うといいでしょう。