変えた方がいいのは分かるけど、先立つものがない!
日本で最初に新型コロナウイルス感染症の報道がなされてから1年以上たちますが、事態は一進一退を繰り返しています。ワクチン接種開始など、良い方向に向かう兆しは見えてきたものの、変異種が発見されるなど、ネガティブな材料もまだまだ多いのが現状です。
医学的な話をここでするのは避けますが、やはり経済への深刻なダメージが発生していることは、重大な懸念事項でしょう。資金力が潤沢にある大企業も、大幅な方針の転換を迫られていますが、そうでない中小企業にとっては「事業を続けるか、たたんでしまうか」の二択を迫られつつあります。
もちろん、思い入れがある事業なら、簡単に廃業したくないのが人情です。そこで
- 飲食業なら、テイクアウト販売やオンライン出前サービスへの加盟を行う
- タクシー事業なら、一般貨物自動車運送事業の許可を取得し、料理の宅配サービスや買い物代行サービスを始める
- サービス業(例:ヨガ・ダンス教室)なら、オンラインレッスンを開始する
など、あの手この手で事業の見直しを図られています。しかし「うまくシフトできればいいけど、先立つものがなくて…」など、資金難を理由に見直し計画の実行に着手できない事業主もいるのが実情です。
このような実情を反映し、経済産業省は新たな施策として「中小企業等事業再構築促進事業
を打ち出しました。
中小企業等事業再構築促進事業とは?
中小企業等事業再構築促進事業とは、簡単に言うと、新型コロナウイルス感染症の影響によって
- 売上が大幅に減っている
- 事業再構築に取り組む
- 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する
の3つの条件を満たす事業者に対し、最大で1億円(事業計画の実行に必要な予算や企業規模、その他の条件により異なる)を補助します。既に、第1回目の公募が3月26日から(応募締切は4月30日)から始まっていますが、令和3(2021)年度内に複数回実施する予定です。仮に、第1回目の締切に間に合わなくても、応募するチャンスは複数回あるので、自分の事業所が対象になるなら、ぜひ申請してみましょう。
なお、この制度の対象となるのは中小企業および中堅企業です。中小企業とは、中小企業基本法と同じく、資本金または従業員数が一定の基準以下(業種により異なります)の会社および個人を指します。また、中堅企業とは、中小企業の範囲に入らない会社のうち、資本金が10億円未満の会社を指します。「もしかしたら、自分の会社でも使えるかも?」と思ったなら、認定経営革新等支援機関として登録されている専門家(税理士など)に一度相談してみましょう。