「その事業に必要か」がカギになる
これまで、会社員は副業が禁止されているのが一般的でしたが、平成30年にモデル就業規則が改正され、副業・兼業に関する規制が緩和されました。そのため「会社員の傍ら、副業をしている」という人も珍しくありません。
副業をしている場合、所得税の確定申告を行い、納税をする必要があります。つまり、1年間の収益から費用を差し引き、求めた利益=所得に税率をかけ、所得税を計算し、その金額を納めなくてはいけません。ここでどこまでを費用=経費として計上して良いかが問題になります。
重要な考え方のひとつが「その事業において収益を獲得するために必要と判断されるか」です。例えば、旅行ひとつとっても、個人的な楽しみのために行くなら経費にはなりませんが、旅行に関するWebサイトの作成を副業にしている場合は立派な取材になります。取材である以上、かかった経費を費用として計上する余地はあるはずです。
このように、同じような出費でも、経費として計上できるかは副業の性質によっても異なります。判断が難しい場合は、税理士や税務署に相談したうえで扱いを決めましょう。
期限に遅れると何かと面倒なので要注意
本来、会社勤めをしている場合は、確定申告をする必要はありません。勤務先が年末調整をしてくれるためです。しかし、副業をしている人は、得られた利益=所得が20万円を超えるなら、自分で確定申告をしなくてはいけません。そして、所得税の確定申告は、毎年2月16日~3月15日(当日が休みの場合は休み明けの平日)までに行う必要があります。
仮に1日でも遅れてしまった場合、ペナルティとして無申告加算税および延滞税が課されるので要注意です。無申告加算税とは、期限までに申告書を出さなかったことによるペナルティとして課される税金を指します。自分から「申告書出し忘れた」と気が付いて慌てて出した場合は、自主的な期限後申告と判断されるので、本来納付すべき金額に5%の割合を乗じて計算した額を払わなくてはいけません。
また、本来の納付期限を過ぎて納税することに対する利息です。クレジットカードの支払日に遅れた場合の遅延損害金をイメージするとわかりやすいでしょう。法定納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までは原則として7.3%、納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後は14.6%とされています。いずれにしても重要なのは、気が付いた時点ですぐに動くことです。自分だけでは無理、という場合は税理士に相談しましょう。