コラム

税金で物価対策?定額減税とは

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定額減税の目的は物価高に備えること

2024年4月現在、日本はかなりの円安に突入しており、海外からの材料の調達コストもそれにともない高騰しています。また、国際的にも2022年2月に勃発したロシアのウクライナ侵攻など、原材料価格を高騰させる事象が相次いでおり、私たちの暮らしにも物価高という形で影響が及んでいるのが実情です。

そこで、日本では国民の負担を和らげるための施策の一環として、定額減税を導入しました。これは、2024年(令和6年)4月1日に施行された「令和6年度税制改正法」に含まれる制度で、納税者本人およびその扶養家族1名について、所得税3万円、住民税1万円の合計4万円を2024年の税金から控除できます。ただし、所得税にかかる合計所得金額が1,805万円超の場合(給与所得者の場合は2,000万円超の場合)対象になりません。

なお、控除のされ方が会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者と、自営業・フリーランスなどの事業所得者とは違う点に注意が必要です。まず、前者の場合、所得税の減税は2024年(令和6年)6月分の源泉所得税から、住民税は7月から開始する予定です。一方、後者の場合は2024(令和6年)年分の確定申告の際に給与所得者と同様の特別控除が受けられます。つまり、2025年2月16日~3月15日の間に確定申告をし、その時に税金を減らしてもらえると考えましょう。ただし、予定納税がある場合は2024年7月の第一期から減税 されます。

また、所得税・住民税の非課税世帯に関しては、給付金支給制度として最大10万円が支給される仕組みです。

定額減税に対して企業は何をすれば良い?

定額減税は簡単にいうと「物価高なので税金を減らしましょう」という制度であるため、国民にとっては非常に恩恵の大きな制度です。

ただし、企業にとってはやや負担の大きくなる制度であることにも注意しなくてはいけません。原因として指摘できるのが、所得税の源泉徴収です。企業は従業員に給与を支給する際に所得税を源泉徴収(天引き)しているはずですが、定額減税が実施されると源泉徴収すべき金額も変わってきます。個々の従業員に扶養家族が何人いるかなどのヒアリングを行い、正確な減税額を出さなくてはいけません。

また、減税額が大きく引ききれないこともあるため、何ヶ月も計算し続ける必要がある点にも注意が必要です。定額減税対象者の判定や、家族情報の登録内容を基にした定額減税額の算出・管理などの業務に耐えられる体制を作りましょう。早いうちから税理士などの専門家に相談するとともに、経理担当者がいるなら話し合いをし、業務フローを整えておく必要があります。

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