インボイス登録をすれば消費税の申告・納税が必要
2023年10月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)が本格的に開始されました。そして、適格請求書発行事業者としての登録=インボイス登録を済ませると、翌年の3月31日までに申告書を作成し、納税する必要が出てきます。これまで免税事業者だったものの、登録を済ませて適格請求書発行事業者になった場合は、2割特例といって、売上にかかる消費税額の2割を納付税額とすることが可能です。これにより大幅に納税額を安くできます。
また、講師・ライターなど報酬から所得税が源泉徴収を受ける仕事をしている場合、所得税は還付される一方、消費税は納税しなくてはいけない、ということがあるかもしれません。例えば、所得税は15万円還付されるものの、消費税として7万円納税しなくてはいけない場合、両者の差額として8万円が還付されるという扱いにすることもできます。
このように、所得税の還付金を充当して欲しい場合は、充当申出書を税務署に提出しましょう。特に決まった書式があるわけではありませんが、以下の項目を記載して税務署に出せば構いません。
- 提出先
- 提出日
- 納税者の詳細(納税地、住所等、法人であれば名称、代表者氏名、ある場合は納税管理人など)
- 税理士氏名、連絡先
- 還付金を納付税額に充当したい旨
- 納付税額の詳細(税目、金額、事業年度等)
- 還付金の詳細(税目、金額、事業年度等)
本来3月末までの消費税の申告・納税に遅れた場合は?
前述したように、消費税の申告・納税は3月末までに行わないといけません。1日でも遅れてしまうと期限後申告になるため、無申告加算税や延滞税を納めなくてはいけません。まず、無申告加算税の額は、納付すべき税額に対し、50万円までの部分は15パーセント、50万円を超える部分は20パーセントの割合を乗じて計算した金額です。つまり、本来納付すべき金額が10万円だった場合、1万5,000円が無申告加算税としてかかります。
また、延滞税は本来の納期限から2ヶ月を経過する日までは年7.3%、それ以降は年14.6%が課される仕組みです。つまり、本来納付すべき額が10万円で、30日間延滞した場合は600円かかります。
ただし、期限後であっても自主的に申告した場合、無申告加算税は納付すべき税額の5%にまで軽減されます。加えて、無申告加算税の額が5,000円未満、延滞税の額が1,000円未満の場合は納付する必要はありません。
いずれにしても、遅れれば遅れるほど払わなくてはいけない金額が増えていくので、気が付いた時点ですぐに税務署に連絡しましょう。事前に税理士に相談し、一緒に税務署で話をしてもらうのも1つの手段です。