連絡が来るのは疑問があるから
税務署から連絡が来ると、ほとんどの人は驚いてどうすれば良いかわからなくなるかもしれません。しかし、他のトラブルと同様、まずは落ち着いて対処するのが望ましいです。ここで、そもそもなぜ税務署が連絡してくるのかを考えてみましょう。一言でまとめると「税金に関して疑問点があるから」です。たとえば、消費税の申告で2割特例を用いて申告したはずなのに、金額が間違っていたのでその分の修正申告を求めるなど、はた目から見れば「ただの事務処理上のミス」の場合でも、税務署から連絡してくることがあります。このような場合は、言われたことに答えて、必要な対応をしていれば特に問題はありません。
問題になるのは、本来は確定申告すべきだったのに申告していなかったり、経理処理問題があり、修正申告が必要と判断される恐れがあったりしたなどの深刻なケースです。このような場合も、自分にやましいところがなければ堂々としていれば良いのですが、そうはいかない場合もあります。税務調査が行われるのも時間の問題であるため、以降において対応策を解説しましょう。
どんな些細なことでも税理士に相談して
具体的な対応策の流れは以下のとおりです。
- 何に対して税務調査を行うか確認し、担当者の名前・部門・税務署名を記録しておく
- 税理士に連絡し、税務調査の立ち会いを頼みたい旨を伝える
- 税理士と打ち合わせをし、用意すべき帳簿や当日のふるまい方など、細かい対応についてすり合わせる
- 税務調査の当日は税理士に立ち会ってもらい、税務署の調査官への質問に答える
- 税務調査が終わったら(必要なら)修正申告を行い、納税する
なお、税務署が納税者の同意を得て行う税務調査のことを任意調査と言いますが、基本的に断ることはできないので注意して下さい。それでも、税理士に相談し、聞かれたことにだけ答えていれば特段問題ありません。
また、税務調査を受けるとなると「もしかしたら自分は逮捕されるのか?」と不安に思う人もいるかもしれませんが、税務署によるものであればほぼその心配はありません。
しかし、同じ税務調査でも強制調査といって、納税者の同意なしに強制的に行う税務調査だった場合は、話は異なってきます。国税局の査察部が捜査令状を持参した上で調査を行うので拒否はできません。そのうえ、刑事処分を前提としているため、逮捕される可能性も十分にあります。ただし、強制調査は脱税額が1億円以上など極めて悪質なケースを前提としているので、大半の人にとっては関係ないと考えてください。
いずれにしても、税務署から電話がかかってきて、税務調査に話が及んだ場合は、税理士に確認して対応を進めるのをおすすめします。